「失点はもったいない形が多かったが、今の若いメンバーでも3得点できたのは悪くない」と森下監督が振り返るように、2試合連続で3得点を叩き出している攻撃陣は好調だ。
だからこそはっきりしている課題をチームの誰もが認識する。「得点が取れている分、失点が多い。それが勝ちきれない要因になっている」と話すのは山口だ。
いかなる相手にも主導権を握る、というガンバらしさを追求しながら守備意識も求めてきた森下監督だが、直近の2試合では計5失点。大崩れする場面は少ないがセットプレーやPKを献上する場面など一瞬の甘さを見せている若きガンバにとって、守備陣の踏ん張りが求められることになるアウェイの秋田戦である。
現在9位の秋田は前節でJ2昇格の可能性が消滅したものの、J3の戦いに簡単な試合がないことは最下位の岩手に苦戦を強いられた前節、選手たちも経験済みだ。
秋田はロングボールよりもボールをつなぐスタイルを志向している上に、チーム得点王の中村や前節、FC東京U-23相手に2得点した林ら侮れないアタッカーを擁している。鍵を握るのはリスク管理を託される二人のボランチだ。奥野は「相手のカウンターを僕が封じたいし、長いボールを蹴られた時のセカンドボールを回収したい。セカンドボールを拾えば、僕らのリズムで戦える」と気合十分だ。
白井や川﨑ら前線のアタッカー陣をパスで操る芝本も「攻撃でもチャンスを作りたいが、ボランチの僕らが守備を引き締めないとダメ」と自らの役割をこう自覚する。
もっとも、アグレッシブな守備を目指す若きガンバだけに受けに回るつもりは毛頭ない。「ここ2試合の失点の多さは自分たちのリズムで守備ができていないから。アグレッシブな守備をしたい」と松田が言い切るように、攻撃のスイッチを入れられる出足の良さを見せられるか。最終ラインを束ねる松田の真価が問われる一戦だ。
岩手戦では別格感あるゲームメイクで攻撃を牽引した芝本を筆頭に、攻め切る力を備えているガンバ大阪U-23。2試合連続でゴール中の川﨑も言う。「自分に対する相手のマークは厳しくなるかもしれないが、次は再び勝ちにつながるゴールを決めたい」。
守備陣が踏ん張れば、好調の攻撃陣が応えるはず。アウェイの地で粘り強く勝機を見出したい。